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いわゆる夢小説。しかし名前変換が無い。そしてファンタジー。
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―――長い。

ということで、私と桜乃と朋香は、3人仲良く並んで榊様のお説教を受けていた。
ぴしゃりぴしゃりと飛んでくる言葉は厳しく、桜乃など大きな眼に涙をいっぱいに浮かべている。
朋香もそれなりに神妙な表情だ。

私も頑張って真剣な表情を浮かべようと思うのだけど、さすがにちょっと長すぎるんじゃないだろうか。
うぐぐとあくびを噛み殺したところで、榊様から「聞いているのか」と、ぴしゃり、言葉の鞭が飛んだ。
慌ててはいと頷き、榊様を見上げる。

榊様は若干眠りかけの私と、泣き出しそうな桜乃と、侍女の鏡らしく真剣な表情を浮かべる―――でも多分「だるーい。早く終わらないかな」と思っているに違いない―――朋香を順々に見やり、最後には溜息を吐いた。

「もういい。とにかく今後は問題を起こさないように。桜乃はまたしばらくこの部屋で“女神”のお相手をしてさしあげろ」

はいぃ、と桜乃は大きく頷き、ついに零れた涙を拭う。
「女神のお相手って、別に私一人で大丈夫ですけど」
そう呟くと、榊様は今度こそ神々しすぎる微笑を浮かべ、ゆっくりと口を開いた。

「一人で大丈夫、だと?私が何度人に顔を見られるなと言ったか覚えていないのか?覚えていないんだな?そうだろう?そうでなければ先程のようなことをしようと思うか?」
「で、でもあれは」
「言い訳は必要無い。とにかく今後はカーテンを開けるのも禁止だ。桜乃、女神がカーテンを開けようとしたら術をぶつけてでも止めさせろ」

そこまで!?と声を上げそうになった私の前に、桜乃は「はい!」と力いっぱい頷く。
ちょ、ちょっと、こらー!さっき私は桜乃を助けようとしてカーテンを開け、窓を開けたのを忘れたか!
そう思う私の目の前で、榊様は「それと」と私を見やった。

「女神はどの程度魔術が使える?」

女神呼称は嫌味か何かのつもりなのだろうか。
否定するのも面倒で、私は「そんなもの使えたら、私は公務員じゃなくて世界的マジシャンになろうとしてた」と吐き捨てるように呟く。
そう言った私に、榊様は何だか変なものでも見つめるような視線を向けてきた。

「使えないのか?まったく?」
「使えない、というかそもそも使おうと思ったことがないです」

いや、この世界を夢に見だしてしばらくは「もしかして私にも使えるのでは!」とドキドキしながら試してみたことが何度もあるが、勿論、出来なかったのだ。
しばらくは足掻いてみたものの、無理なものは無理だった。
それがどうした、悪いか、と内心で呟きつつ榊様を見上げると、榊様はふむと頷き、桜乃を見やった。

「桜乃、女神はどうやらお隠れになられた際に魔術の使い方まで忘れたらしい。本来使えるはずのものが使えない不便は如何程のものか―――」
「女神様!私でよろしければ、精一杯教えさせていただきますー!」

榊様の言葉を途中で奪った桜乃の瞳は、榊様のお力になりたい!女神様のお力になりたい!という熱意に燃え、それはもうきらきらきらきらしていたのをここに付け加えておく。
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